イジメ被害者が多いジュニア

2015年6月17日(水)05時50分更新
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富士山の朝34若いプロゴルファーの中に、学生時代、イジメに合った経験者が多い事実をご存じだろうか。

ゴルフ部のある強豪校ならとにかく、それ以外の中学、高校で頑張り、やがてプロになるほどの実績を挙げた選手で、辛い思いをした者は少なくない。

理由は簡単。一部のにおいて、ゴルフはまだまだマイナーなスポーツだからだ。

強い選手になればなるほど、平日に学校を休んで試合に出場する。結果を残せば、次の月曜日の朝礼で表彰されることもある。これが強豪校だったり、サッカー部や野球部やバスケットボール部などの団体スポーツなら、チーム単位だから個人が攻撃されることにはならない。だが、公立校ではゴルフをしている子供すら学校内に珍しいケースがほとんどだ。そうなると「ゴルフは金持ちのスポーツ」という保護者や、ひどい時には先生などのやっかみも加わって、仲間外れにしたり、攻撃したりすることになるのだ。

競技に出場していなくても、ゴルフを楽しむ子供が増えれば、決してこうはならないだろう。競技で結果を残す者を尊敬したり、興味を持つことはあっても・・・。

もちろん、マイノリティをいじめたり疎外したりすることが一番の問題だ。それを容認するどころか、子供以上にその保護者たちがその傾向にある教育が根本的に間違っているのは言うまでもなく、国としてこれを是正する必要はある。

その一方で、ゴルフ界にその身を置いている大人たちが今すぐできる”対処療法ことがある。ゴルフが子供たちの間でメジャーなスポーツになるよう努力することだ。

この話を、日本ゴルフ協会(JGA)の”お偉方”にしたことが何度もある。だが、残念ながら、生返事がかえってくればましなほう。何を言われているのかわからないような反応だったこともある。なぜなら彼らの大半は裕福な家庭で生まれ、仲間の多くも同じ生活レベル。ゴルフをする友達がいるのが当たり前というある意味特殊な環境で育ち、公立の中学や高校に通うような”下々の暮らし”は理解していないからだ。

様々な生活レベルの家庭の子供たちが集って学び、遊ぶのが良くも悪くも公立の学校であり、そこに通う子供たちの割合は極めて高い。そこで子供たちが経験できるスポーツ以外は、マイナーなのは仕方ない。

この事実を謙虚に受け止め、授業でゴルフに親しませる方法をこそ、ゴルフ関係者は最優先で考えるべきだ。だが「現実的になかなか難しい」などと言い訳をして、それ以外のことに血道を上げる愚を犯している。

2020年東京五輪のゴルフ会場問題も、今のまま進めればゴルフをメジャーなスポーツにすることとは対極の動きとなる。名門といわれる霞が関CC(埼玉県)を会場とすることでどんどん進め、反対意見には耳を傾けようとしない。これは、五輪でゴルフを見て、そのコースでプレーしてみたい、という一般ゴルファー、あるいはジュニアの夢についてまったく考えていないと言わざるを得ない。メンバーシップの名門である霞が関CCで、一般ゴルファーの夢をかなえるのは簡単なことではない。コースの是非とは全く別に、そのことだけで、五輪憲章のひとつに掲げられている『オリンピックの有益な遺産(レガシー)を、開催国と開催都市が引き継ぐよう奨励する』という一文には、まったくそぐわない。

東京都が持つパブリックコース、若洲ゴルフリンクスを会場にすれば、この問題は直ちに解決する。だが、そこに目を向けようとは全くしていないのが、現在の五輪ゴルフ関係者たちの現状だ。五輪という底辺拡大の千載一遇のチャンスを、自分たちのエゴとくだらないプライドでつぶしてしまうことがどれほどの罪悪か。こんなことではいつまでたってもゴルフはマイナースポーツ。学校でいじめられるジュニアゴルファーが減るはずもない。

ジュニアゴルファーたちの現状を見つめれば、簡単に答えの出る底辺拡大への道。これを見てみぬふりでやり過ごしてしまっては、永遠に日本でゴルフがメジャーなスポーツになる日など来ない。


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