速報!ゴルフスタジアム集団訴訟初公判

2017年10月21日(土)05時05分更新
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 ゴルフスアタジアム問題の被害者が大手信販会社ジャックスを提訴した集団訴訟の初公判が20日、東京地裁で開かれた。

 この問題はゴルフスタジアムの担当者がティーチングプロなどに対し、ホームページの作成料をそのサイトへの広告掲載料で相殺できると営業活動。スイング解析ソフトの購入料として1人当たり数百万円のローンを組ませたが、広告掲載料が今年の2月からストップし、被害者たちは多額の負債を抱え込むことになったもの。

 小口ローンの新たな手口として被害額40億円、被害者の数も1000人を超える深刻な社会問題に発展。そのため被害者たちが団結し、債務は不存在とする集団訴訟に踏み切った。信販会社7社と委任者614人との間で提訴22本、応訴35本の計57事件が争われる。

 10時からの初公判に備え、この日は雨の中、弁護団に加え意見陳述のため証言席に立つプロゴルファーの原子由美子さん(写真中央)ら「ゴルフスタジアム被害者の会」のメンバー55人が都内に集合。「クレジット被害は大きな社会問題」「弱者をいじめるな!」などと書かれたプラカードを首から下げ、裁判所を目指した。

 満員の傍聴席の前で初公判の証言席に立った原子さんは「原告のほとんどは、けして余裕のある状態ではありません。そのようなさなか、ゴルフスタジアムにより勧誘を受け、ゴルフスタジアムとの間で私のホームページを作成し管理してもらう契約を締結したところ、突然ゴルフスタジアムが破たんしたことにより、私は、ジャックスとの間で多額の支払い債務を負う形となりました」と経過を説明。勇気を振り絞って証言台に立ったことが、その強い口調からも伝わってきた。

 「モーションアナライザー」というソフトの購入契約は、担当者から「単にホームページを無料で作成するにあたり税理上あくまで形式的に必要な契約」と説明されたたため、原子さん自身もそう認識していたという。

 さらに契約をした2つの理由を、⓵担当者から「PGA(日本プロゴルフ協会)や練習場連盟・ロッテ葛西ゴルフ練習場など信頼できる取引先があるので安心してください」との説明があったこと、⓶さらにこのサービスを利用していたレッスンプロ仲間が多数いたからだと説明した。

 また当時、原子さんがシングルマザーで行政からひとり親の支援を受けなければならないほど逼迫(ひっぱく)した状態であり、当時の年収ではクレジット契約の審査が通るはずはない状態だったことも明かした。にもかかわらずジャックスは約1、2分の電話で名前、住所、生年月日等に関する質問をしただけで信用審査はすんなり通過したという。

 「その後、ジャックスは、これら契約の締結をゴルフスタジアムに任せっきりにしながらも、私たちの間でクレジット契約を締結することにより多額の手数料を得ていたことを知りました。私は、ジャックスとの間の契約は、ジャックスとゴルフスタジアムによる詐欺行為により締結されたものであると確信しています」とキッパリ言い切った。

 ソフトの価値をしっかり検証せず、利用者の信用審査も不十分なままに契約したジャックスの問題点も指摘。さらに今回の問題がゴルフ界にとどまらず飲食業界や美容業界など個人事業を営む人々にも及んでいること、「こうした被害が存在することを知らずに契約しようとしている人々にも訴訟を通じて警告したい」という思いも訴え、それが意見陳述を決意した理由の一つでもあるとも明かした。
 
 この後、西村國彦弁護士が原告弁護団を代表し事件の内容を意見陳述。複雑であるため、集団訴訟になってこそ実態が見えて来る事件だと説明。さらに被害の実態や、マスコミの注目度の高さの裏にある信販・リース会社の問題点を指摘した。

 また、「守る会」被害者の提訴及び応訴が10月に完了し、全貌が確定した時点で7社の信販・リース会社ごとにそれぞれ集団審理が可能かつ必要になる。訴訟本数は57件にも及ぶため、同一の裁判体で審理されるよう強く求めた。

 初公判の終了後、都内の貸会議室に移動して弁護団と45人の被害者が参加した被害者集会が開催された。席上、弁護団からは原子さんの訴えに対し「裁判所にも響いた。非常に良かった」との声が上がっていた。

 民事の法廷闘争が本格的にスタートした今、刑事事件に発展していくかという点でも注目が集まる。
                   (日本ゴルフジャーナリスト協会副会長・小川朗)
 

 


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